大学生が参加する青年海外協力隊のメリット、デメリットと合格体験例
はじめに
青年海外協力隊(JICAのボランティア事業)は、発展途上国の地域社会に貢献することを目的とした国際協力活動です。大学生が卒業後すぐに参加することは、一般的なキャリアパスとは異なる選択肢となりますが、多くのメリットが存在します。本記事では、大学生が青年海外協力隊に参加する利点を中心に、デメリットについても触れながら詳しく解説します。「大学生だから青年海外協力隊は、やめとけ!」という意見には、私は反対です。若くて、社会経験が少ないからこそ、よけいに、参加してほしいが、私の個人的な意見です。
1. 青年海外協力隊とは?
青年海外協力隊(JOCV: Japan Overseas Cooperation Volunteers)は、JICA(国際協力機構)が実施するボランティアプログラムで、開発途上国の地域社会で活動することを目的としています。主に教育、医療、農業、技術支援などの分野で派遣され、現地の人々と協力しながら持続可能な発展を支援します。
大学生が参加する場合、一般的に「長期ボランティア(2年間)」の枠組みを利用することが多いですが、合格は、難しくなりますが、短期間(1年以下)のプログラムもあります。
2. 大学生が青年海外協力隊に参加するメリット
1. 国際経験と異文化理解の向上
青年海外協力隊に参加する最大のメリットの一つは、国際経験が積めることです。異文化の中で生活し、現地の人々と協力しながら課題を解決することで、文化の違いや価値観を深く理解する力が養われます。この経験は、グローバル化が進む現代において、大きな強みとなります。
これは、大学生からの参加者に限らず、すべての参加者が感じて、実際そうなのですが、若い時代に経験できると、その後の人生にとって、より価値のあるものになります。
2. コミュニケーション能力と適応力の向上
発展途上国では、日本とは異なる生活環境や社会的な課題に直面します。そのため、現地の人々との信頼関係を築き、効果的に協力するスキルが求められます。言語や文化の違いを乗り越えて円滑にコミュニケーションを取る能力は、どの業界でも高く評価されるスキルです。
青年海外協力隊を受験するときは、外国は、英語だけが中学卒レベルであっても、派遣終了時には、だれもが驚くレベルの外国語の語学力が向上し、コミュニケーション能力全般が著しくアップします。
さらに、異文化適応能力、多文化共生能力が、別人のようにスキルアップします。
3. 問題解決能力と自主性が養われる
青年海外協力隊の活動では、現地の課題に対して自ら考え、解決策を見つける必要があります。特に発展途上国では、日本のようにインフラや資源が整っていないため、限られた環境の中で最適な方法を見つける力が求められます。このような経験は、企業や組織においても大いに役立つスキルとなります。
日本とは、異なる課題が多く、しかも金銭的、人的、物的、サービス的、インフラ的資源、つまりすべての資源がない、あるいは不十分ななかで、問題を解決していかなければなりません。
通常は、チームでは活動しませんので、より自主性がやしなわれます。
4. 国際人脈の広がりとキャリアの選択肢が広がる
青年海外協力隊では、日本国内外の様々な分野で活躍する人々と出会う機会が多くあります。現地での経験を通じて築いた国際人脈は、帰国後のキャリア選択にも大きな影響を与えることがあります。国際NGO、JICA, 政府機関、国際企業、国連機関などなど、多様な分野で活躍する可能性が大きく広がります。
5. 自己成長と達成感を得られる
異国の地で、現地の人々と協力しながら何かを成し遂げる経験は、非常に大きな達成感をもたらします。日本の大学生活では得られない挑戦と学びがあり、自己成長を実感することができます。
私の場合には、派遣時には40歳でしたが、それでも大きな自己成長と達成感を感じることができました。若い大学生なら、私の10倍くらい実感できるとおもいます。
3. 大学生が青年海外協力隊に参加するデメリット
もちろん、デメリットもありますので、もしあなたが大学生で、協力隊の受験を考えているから、デメリットにも目を向けてください。
1. 新卒採用の機会を逃しやすい
青年海外協力隊の派遣期間は2年間が基本となるため、多くの大学生が卒業後すぐに参加すると、通常の新卒採用のタイミングを逃してしまいます。企業によっては「既卒者」として扱われ、新卒枠での採用が難しくなる可能性があります。
2. 大学生は選考に通りにくい
青年海外協力隊の選考では、応募者の職務経験や専門スキルが重視されるため、職業キャリアのない大学生は他の社会人経験者に比べて選考を通過しにくいことがあります。ただし、専門性のある分野(教育、スポーツ指導など)では、大学時代の経験を活かすことで合格の可能性が高まります。もし、あなたが大学生で、真剣の合格したいなら、より合格しやすい職種を選んでください。
3. 金銭的な不安
青年海外協力隊の活動期間中はJICAから生活費が支給されるものの、帰国後のキャリアの選択肢や収入面での不安を感じることがあるかもしれません。特に、長期間収入が途絶えることに抵抗がある人には、慎重な計画が必要です。
ただ、派遣前からきちんと計画をたて、帰国後すぐに行動にうつせている人は、大部分が、半年以内に何かしらの仕事や学業についています。2割程度は、半年後も何の活動がない人も、残念ながらおられます。しかし、もともとから計画がない人や実際に行動にうつせていない人ばかりです。
合格できたとしても、帰国後の金銭的な計画、進路計画を事前に十分たてておいてください。
4. 大学生が青年海外協力隊に合格した具体的な事例
大学生は、合格しにくいのは、事実ですが、それでも毎回、1,2割は、大学生でも合格者が必ずいます。いくつかの事例を簡単に紹介します。
1. 教育分野で合格したAさん
大学で教育学を専攻し、卒業後すぐに青年海外協力隊に応募。学生時代に学習支援のボランティア活動を行っていたことが評価され、アフリカの小学校で教員支援の任務を担当することに。
教育分野は、大学生でも比較的合格しやすい分野の1つです。私の同期にも、いましたし、私の身近にも何人も知っています。教職の経験がなくても、教員免許はもっていたり、塾で教えていた経験があったり、国際交流なども経験があると、より合格しやすいと思います。
2. スポーツ指導分野で合格したBさん
体育大学出身で、学生時代に地域のスポーツ指導を経験。サッカーコーチとしての実績が認められ、南米の学校でスポーツ指導を行うボランティアとして派遣。
スポーツ分野での募集もあるので、学生であってもそのスポーツ分野での経験や実績があれば、合格の可能性がたかまります。
3. 環境保全分野で合格したCさん
環境学を専攻し、大学のゼミで地域の環境保護活動に参加。これが評価され、東南アジアの環境保全プロジェクトに参加する機会を得た。
大学での専攻と協力隊の職種が一致していたり、その専攻の関連で何らかの活動経験があれば、合格し派遣される可能性は十分にあります。
5. まとめ
大学生が青年海外協力隊に参加することには、多くのメリットがあります。異文化理解や国際経験、コミュニケーション能力の向上、問題解決能力の習得など、どれも将来のキャリアに役立つ貴重なスキルです。
大学生だと合格しにくいと考えるかもしれません。しかし、大学生でも合格は可能です。
もし青年海外協力隊に興味がある場合は、事前に情報を十分に収集し、自分に合ったプログラムやキャリアパスを検討することが重要です。ぜひ、勇気をもってチャレンジしてみてください!
私も応援していますし、お手伝いできることがあれば、お手伝いします。
