はじめに。青年海外協力隊とJICA海外協力隊、どちらの名称が正しいの?
JICAのボランティア事業は、長い歴史60年に渡る歴史がありますので、何度何度も、名称そのものも、趣旨も、内容も、年齢もコンセプトも改定されてきました。
協力隊OBとしては、改定されるたびに、若い方と名称やその内容が通じにくくなり、困るのですけどね。。。
正解は、
どちらの名称も正しいのですが、時代とともに、コンセプト、使い方などが変化してきています。
そこで、より最近の名称やコンセプトの変化について、詳しく解説します。最近では、2018年秋に、大改訂がおこなわれました。
「JICAボランティア」から「JICA海外協力隊」へ!
これは、総称全体のことです。JICAボランティア事業によって派遣される人びとのの総称を、以前は、「JICAボランティア」と呼んでいましたが、全体を「JICA海外協力隊」と変更することになりました。
ですので、ですので、年齢やスキル・経験、長期・短期すべてのJICAボランティア事業で派遣される人は、全員そう呼ばれます。たとえば、60歳以上の高齢で、派遣される人もです。
日本社会で「ボランティア」という言葉が一般に広く使われるようになってきました。たとえば、震災復興の無償ボランティアなどは、多くの国民も参加してとても有名ですよね。ただ、JICAの事業との区別が一般に人には、わかりにくいです。そこで、協力隊が持つ「日本の顔の見える国際協力の代表であり、途上国における草の根の外交の担い手」として、日本と途上国の信頼の礎となっていることを、より多くの国民に理解してもらうために、2018年秋に、総称も個別の呼称も変更されました。
青年海外協力隊(長期派遣)の呼称は、39歳から45歳まで引き上げ
以前は、39歳までのボランティアを青年海外協力隊、
40歳以上69歳までの中高年の方のボランティアをシニア海外ボランティアと呼んでいました。
つまり名称が全く異なり、待遇や制度も、青年海外協力隊とは、異なっていた面が多かったです。
改定によって、
20歳から45歳までの長期派遣のボランティアを青年海外協力隊
46歳から69歳までの長期派遣のボランティアを海外協力隊 (つまり、青年をとっただけ)
と呼ばれるようになりました。
これは、個人的には、この区分の違いは、とても分かりにくいという意見です。
しかし、漢字で、たとえば中高年協力隊と呼んだら、たぶん応募者が、減ってしまいそうな気がします。たぶん、JICAは、そんな理由で、中高年のような漢字をつけなかったのでしょうね。
シニアって、協力隊事業では、どういう意味?
これが、多くの国民だけでなく、元JICA関係者の間でも、大きな誤解を生じます。
以前は、シニアといえば、主として年齢(中高年)を意味していました。経験やキャリアがあるという意味も、半分くらいありました。しかし、基本は、年齢区分(40歳以上)でした。
しかし、改定後は、年齢に関係なく、経験やキャリアなどの専門性をもっているという意味に限定されました。ですから、とても若く、経験やキャリアが全くない人は、シニアとは呼ばれません。
一定以上の経験・技能が求められる案件(シニア案件)で、派遣される方は、
シニア海外協力隊と呼ばれます。
日系関係のボランティアの名称変更は?
あまり知られていないかもしれませんが、南米などの日系社会に派遣されるボランティア事業もあります。
変更のポイントは、同様です。
日系社会青年ボランティア から 日系社会青年海外協力隊(46歳以上は、日系社会海外協力隊) へ
日系社会シニア・ボランティア から 日系社会シニア海外協力隊 へ
と、ボランティアの用語を削除して、青年海外協力隊などの用語が付け足しされました。
エンリケのJICAボランティア事業の参加経験
私は、この改定前の名称区分で、
青年海外協力隊(長期派遣2年)
シニア海外ボランティア(長期派遣2年)
で、スペイン語圏の中南米で、活動した経験があります。
シニア海外ボランティアの名称は、現在ではありません。
名称変更の大きな特徴
名称変更の大きな特徴は、どのようなJICAボランティア事業、長期・短期、年齢、日系関係ということに全く依存することなく、必ず海外協力隊という言葉が入っていることです。
ですから、協力隊とか海外協力隊と呼んだだけでは、どのようなJICAのボランティアであるかは、まったくわかりません!
私の場合には、青年海外協力隊は、最高年齢39歳(当時は、ボランティア案件は、39歳までの年齢制限が。大昔はあった。)で、派遣時は、40歳で、”青年”海外協力隊と呼ばれることに、多少抵抗がありましたが、現在では、45歳の方も青年と呼ばれます。抵抗感は、ないですかね。
事務局の名称変更は?
なお、事務局の名称は、過去から現在まで、
青年海外協力隊事務局
と名称に変更は、ありません。69歳までのボランティア事業をすべて担当しています。
