青年海外協力隊やめとけ!というテーマで、SNSなどで、議論になることがあるようです。
私のブログの目的からも大変、重要なテーマの1つです。
そこで、いくつかのケースに、数回の記事に分けて、私の経験も含めて、私の個人的な意見を紹介させていただきます。今回は、特に、自分の内部の心の葛藤が強いケースです。
誰にもまだ、話す前に、自分自身で「青年海外協力隊は、やめとけ!」と納得したいケース
誰でも、参加を決意するまでには、心の葛藤がたくさんあります。
夢、希望、好奇心などがあるため、JICA海外協力隊や青年海外協力隊参加に関心をもっておられると思いますが、逆に、大きな心配、不安、時には恐怖を感じておられるかもしれません。
特に、内向型人間の方は、心配ごとが多すぎて、そもそも「協力隊に参加しよう!」と決意にならないかもしれません。私も、内向型人間の1人ですので、心配ごとだらけでした。他の事情もあったのですが、私が初めて、青年海外協力隊プログラムの存在を知ってから、実際に受験してみたのは、13年後のことでした。
多くの方が感じる心配事には、次のようなものがあります。
- そもそも2年間もの間、外国で、しかも発展途上国で、まわりに日本人がいない状態で、生活し続けることができるだろうか?
- 治安が悪い国が多いと聞くが、犯罪や事件に巻き込まれないか? 特に、自分は女性なので、より心配。
- 自分には、特別なスキル、能力、社会経験がない(あるいは、少ない)ので、ボランティアとしての資格がないのでは?
- 語学、特に英語が苦手な自分が、仮に2か月ほどの英語以外の外国語の語学訓練を受けたとしても、話せるようになって、生活し、協力隊活動ができるのだろうか?
- 任期が終了して、帰国後、再就職できるだろうか? あるいは、キャリアパスには、かえって傷がつき、その後の職業生活にマイナスの影響がでないのか?
- 家族、パートナー、職場に、青年海外協力隊の活動の参加希望であることを話すのが怖い。理解して、もらえない可能性が高いし、説得できる自信がない。
- SNSなどで、評判がよくないようで、「青年海外協力隊への参加のモチベーションがそもそもわかない!」
そもそも2年間もの間、外国で、しかも発展途上国で、まわりに日本人がいない状態で、生活し続けることができるだろうか?
この心配は、全く不要です。青年海外協力隊に合格した人の中には、ガイド付きの海外の観光旅行さえ、一度も経験したことがない、パスポートを持った経験がない人が、かなりの割合でいました。私の同室だった協力隊の元仲間だった人もそうでした。私の合格前(39歳)の海外経験は、ハワイと韓国に、ガイド付での数日の観光旅行しただけでした。
しかし、協力隊のケースを観光旅行とは、全く比較できませんよね。そもそも、まわりに日本人が誰もいない状態で、生活し続ける(無事に生き延びる)ことができないといけません。これは、誰にとっても、初めての経験である場合には、大変なことです。ですので、だれにとっても小さな心の冒険みたいなものです。(内向型人間の場合には、心の大冒険。)
私も内向的な人間の1人でしたから、派遣国での生活に慣れるまでの3カ月間は、応募前から、訓練中も、派遣されてからも、いつもドキドキの連続で、こころが休まる時がありませんでした。これは、だれでも同じです。性格や状況によって、なれるまでの期間が、まちまちなだけです。
しかし、心配しないでください。不思議なもので、人間には誰のにも、環境適応能力が、必ず備わっています。もちろん、あなたにも絶対にあります!人間には、だれにも、生存本能がありますから、生きのびるために、時間はかかっても、必ずまわりの環境の適応していきます。
訓練期間中には、さらに、異文化適応、多文化共生への訓練もたくさんありますから、海外経験がほとんどない場合にでも、言語能力が低くても大丈夫です。
また、派遣された直後は、現地のJICA事務所内に、担当の調整員という方がおられますから、現地の生活に関して、支援やアドバイスも直接受けることができます。
実際に、ほとんどの方が、2年間無事に、大きな問題もなく、任期を終了して、日本に戻っていますから、あなたも2年間、生きのびることができます。(もちろん、保証はできませんが、99%以上の方は、適応能力があると思っています。)
治安が悪い国が多いと聞くが、犯罪や事件に巻き込まれないか? 特に、自分は女性なので、より心配。
これは、とても重要な問題で、私も、JICAも100%の保証は、できません。私が、あなたのそばにいられないのと同様に、ほとんどの時間,JICAの担当職員の方も、現地では、そばにいません。
つまり、あなたの自己責任で、安全対策能力を高めるしか、犯罪や事件に遭遇する可能性や被害の拡大を防ぐしかありません。
「じゃ、やっぱり犯罪、事件の被害をさけるためには、青年海外協力隊の応募はやめて、日本に居続けておこう!海外に一歩も出ずに!日本国内は、100%安全だもん!」
あなたが、もしこうお考えなら、そもそも協力隊の応募は、おやめください。
個人的には、その考え方は、間違っていると思います。日本社会は、確かに安全度が高い、治安が比較的によい国であるのは、確かですが、100%ではありません。残念ながら、日本にも、毎年、凶悪な犯罪、詐欺の犯罪が多数あります。海外と異なるのは、その件数、割合、犯罪の性質です。あなたが、日本に居続けるにしても、常に治安やその他の安全には、常に気をつけてください。
JICAや青年海外協力隊事務所が、派遣中の隊員に対して、一番気にしているのは、隊員の安全です。安全対策が、一番の重要事項です。
それでは、各個人が、できる最小限の安全対策をご存じですか?
1.常に、安全対策情報にアンテナを張っておき、治安が悪い地域には、絶対に近づかない。どうしても活動上近づかないといけない場合には、あらかじめJICA事務所の許可を取っておく。
2.犯罪率がある一定以上ある町などをどうしても、歩かないといけないときなど、荷物は最小限して、高価なものや重要なものの携行も最小限にして、あなたと他の歩行者の間隔をできるだけあけて、あなたの直後には、絶対人を歩かせない(ゴルゴ13のように)、まわりをときどき、キョロキョロする。歩いているときは、携帯などは、絶対に隠しておく。
3.万が一、盗難など被害にあってしまったときは、無抵抗主義をつらぬく。ピストルやナイフなどを隠しもっていて、2次被害(殺されるなどの最悪の被害をさけるため)に合わないため。
たくさん、あるのですが、とくに重要な点だけをあげておきました。
女性の場合には、性被害にある可能性もありますから、あなただけでなく、あなたの家族なども、安全上の心配が増えますね。しかし、実際に、青年海外協力隊に応募し、合格するのは、性別では、圧倒的に、女性です。
ほとんどの女性隊員は、JICAや現地事務所の安全対策情報を身に着け、実践していますから、ほとんどの女性隊員は、大きな被害にあうことなく、無事に2年間の活動を終了させています。
もちろん、被害にあう件数は、ゼロではありません。しかし、あなたがもし、「青年海外協力隊員は、犯罪にあう件数が多い」と主張したいなら、かならず、JICA関係者以外でのその国に滞在している日本人が被害にあう確率を比較してください。私のまわりでは、青年海外協力隊員の方が、他の日本人で滞在している人より犯罪被害率が高いと聞いたことがありません。
犯罪被害にあるリスクは、残念ながらゼロではありません。一般の民間人の日本人でも、被害にあうことが多々あります。
JICAや協力隊事務局は、最大限、安全対策のための方策を取ってくれていますし、もしあなたが、参加を考えておられるのでしたら、JICAから安全対策をしっかり学んで、実践してください。
私の場合には、8年以上もJICAとの関係で、活動や仕事をさせていただいたおかげで、個人的な安全対策が完全に身に付き、大きな犯罪被害にあうことはなく、現在でも、途上国で、民間人として仕事と生活を続けることができています。現在でも、JICAの安全対策術のおかげと、個人的には感謝しています!
自分には、特別なスキル、能力、社会経験がない(あるいは、少ない)ので、ボランティアとしての資格がないのでは?
JICAの基本的な重要な国際協力のスキームは、「技術移転」です。つまり日本がもっている何かの技術を途上国に、移転するということです。協力隊の活動は、業務ではありませんので、つよい責任を持ち必要はありませんし、多少の自由度はあるのですが、それでも、何かの技術移転を期待されています。
魚の例で、たとえば、「魚」そのものをあげるのでなくて、「魚の釣り方を教えてあげる」というのが基本となります。教師として、派遣されのであれば、マンパワーとして、実際に教壇にたって、教えるのもいいのですが、活動の中心は、「現地の教員に、教え方を教える」となります。魚の例では、魚釣りの経験がないと教えらえませんし、教員経験がゼロでは、現地の教員に、教え方を教えれれません。
そんな理由で、応募者には、日本での社会経験や業務経験を求めていますし、案件の要請には、それぞれの職種で異なりますが、業務経験や業務資格などを求めています。
つまり通常は、何かの経験や仕事上の資格があるほうが、合格しやすいということです。
「私は、現役の大学生で、英語資格以外は、何も経験や資格がないのですが、、、」
このようなケースは、正直言って、合格率が残念ながら、初めから低いです。
しかし、しかしですよ。ゼロではありません。
毎回、1割以上は、現役の大学生、新卒の方が必ずいます。
大学生が応募する場合に、合格率を高める方法については、この記事では、触れませんが、確かに方法は、あります。
もし、これからすぐの青年海外協力隊の受験を考えておられて、自分でもスキルや社会経験が少ないと自覚されている方が、おられましたら、2カ月で、あなたの能力、経験を高める努力をいますぐ、初めてください。
語学、特に英語が苦手な自分が、仮に2か月ほどの英語以外の外国語の語学訓練を受けたとしても、話せるようになって、生活し、協力隊活動ができるのだろうか?
語学に関しては、青年海外協力隊の長期派遣の場合、全く心配いりません。
詳細に関しては、別の記事に詳細を紹介していますので、下記の記事を見てください。
私も、協力隊の受験時は、英語は低いレベルでしたが、問題ありませんでした。
任期が終了して、帰国後、再就職できるだろうか? あるいは、キャリアパスには、かえって傷がつき、その後の職業生活にマイナスの影響がでないのか?
青年海外協力隊に参加にあたって、2年後の帰国後の進路問題は、とても重要です。
JICAにとっても、とても重要ですから、エントリーシートにも、現時点でもあなたの考えを記載することになっています。
あなたの雇用が、生涯にわたって比較的安定している状態で、あることは誰にとっても重要なことです。失業期間が長くてもかまわないと考える人は、誰1人いません。
安定性を重視したいのであれば一番いいのは、現在のあなたのいる立場に、そのまま戻れることです。
仕事であれば、現職派遣制度や休業派遣制度のもとで、2年間派遣されるのあれば、2年後には、もとの職場に戻れることが、約束されていますから、心配がいりません。あなたが、教員や公務員であれば、この制度が適用される可能性が高いです。民間企業や団体では、またまだ数が少ないのですが、昔に比べると少しづつ増えていました。まずは、あなたの職場が適用される可能性があるか調べてください。
ただ、現在の職場を退職して参加予定の場合には、より将来の進路のことを真剣に考えてください。
教員や公務員の世界では、青年海外協力隊の2年間の活動を高く評価される場合も多いですが、民間企業では、活動歴を高く評価してくれるところは、まだまだ少ないです。民間企業で、比較的高く評価してくれるとことは、何らか形で国際協力に関連していたり、海外事業をこれから強めていきたい企業とかです。残念ですが、海外事業とは全く無縁の企業で、評価してくれるところはまだまだです。
アメリカに、似たようなボランティア事業に、ピースコー(平和部隊)というのが、あまりますが、一般社会や一般企業で、とても高く評価されていますので、帰国後で、就職に困ることがありません。
それと比べると、日本社会は、まだまだ残念です。
失業状態で、日本に帰国後、再就職を探す件に戻りますが、もちろんだれにも、再就職を保証できません。
しかし、JICAは、帰国して特に半年間は、とても親身になって、相談、情報提供、実際の仕事の機会を提供してくれます。そのため、熱意をもって、仕事や進路を探せば、半年以内に7割から8割程度が、何らかの仕事や大学院への進路を見つけています。重要なことは、出発前から進路をどうするかのイメージをもっておくこと、帰国半年前になったら任国から進路先情報を探し始めることです。
いやいや、早いに越したことはありません。いまから、JICA主催の求人サイトのパートナーに登録だけをしておいてください。
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家族、パートナー、職場に、青年海外協力隊の活動の参加希望であることを話すのが怖い。理解して、もらえない可能性が高いし、説得できる自信がない。
この問題に関して、私は、一般的な回答をもっていません。個々の事情や状況があまりにも異なるので、一般的な回答はありません。
ただ、1つ言えることは、まず、あなた自身が、「よし!時間がかかっても、困難があっても、絶対に青年海外協力隊になるぞ!」と強い決意を情熱を持ってください。協力隊の活動上で、重要なことの1つに粘り強さがあります。協力隊の活動を成功といえるまで、成果をだされた方すべてが、とても粘り強さをもっておられました。つまり、受験前から実質的に、活動がはじめっていると頭で考えて、粘り強さを発揮してください。
具体的には、粘り強く、何度も何度も、話し合って、家族やパートナー、職場などに、協力隊参加の理解を得てください。「今年は、無理だけれで、来年なら仕方ないね!」などという返事がもらえたら、あなたの勝ちです。来年でももっと先でもいいじゃないですか。その程度の粘り強さがない方には、そもそも協力隊の活動は、務まりません。
SNSなどで、評判がよくないようで、「青年海外協力隊への参加のモチベーションがそもそもわかない!」
自分のSNSへのアクセスや再生回数を多くするための青年海外協力隊を批判して、評判を落としているいわゆるヘイトクライムのような言説には、私は大変な憤りを感じます。
こんな輩の言説には、耳を貸さないでください。一部だけ、事実の部分もありますが、大部分はフェイクニュースあるいは、誇張のし過ぎです。
現実の実態とは、相当かけ離れています。たとえば、残念ながらモラルがよくない隊員がいるのも事実ですが、私の観察では、1%以下とみています。活動がうまくいかない、できていない隊員も、現実的にはいますが、そのそも、途上国で、言語も不自由、日本と仕事文化も異なるなかで、満足いけるレベルで活動できるのは、相当困難です。そんなことは、JICAも協力隊事務局は、重々承知です。ですから、仕事上の成果は十分でなくても、2年間任期をまっとうできた。ただそれだけで、一定の評価を受けます。
代表的な、フェイクニュースへのエンリケの批判も、下記を参考にしてみてください。
あなたへのお願い! 参加をあきらめる前に、、
もし、あなたが上記にあげさせていただいた7つのような状態なら、大変残念です。
あなたが、青年海外協力隊への参加をあきらめる前に、あなたにお願いがあります。
お願いしない内容は、
1.青年海外協力隊の事業、内容をより詳しく、深く正しく知る。
2.1人だけでなく、大勢、少なくても10人以上の協力隊OG,OBの方々の生の声に耳を傾ける。
難しくないですよね。もし、難しければ、私に一言相談してください。
ほとんどの協力隊OG,OBの方は、たぶん、大変な苦労などはあったけど、参加してよかった!と話されると思います。私のブログでも、上記の2点が実現できるように、これからも応援していきます。
また、私の個人的な経験や意見になりますが、あなたの心配事が少しでも減るように、
このブログでもさらに、情報発信していきます。
