
1.JICAボランティア【長期派遣(2年前後)】の全体イメージ
※短期派遣のついては、次回の別記事で紹介します。
① 全体タイムライン(ざっくり)
応募(春・秋)
↓ 1〜2か月
書類選考・オンライン面接
↓ 数か月
合格通知・派遣前準備
↓
約70日間の訓練合宿
↓ 1〜2か月
任国へ派遣(2年間の活動)
↓
任期終了・帰国
② 長期派遣:ステップ別「表」
◆ 応募〜選考〜合格まで
| ステップ | 時期の目安 | 主な内容 | ポイント |
|---|---|---|---|
| 1. 募集開始 | 年2回(春募集・秋募集) | JICAの募集要項公開。職種・国・条件が一覧で出る。 | 自分の経験に合う職種・国を絞り込む段階。 |
| 2. 応募期間 | 数週間〜1か月前後 | マイページ登録、職種応募、経歴・志望動機入力、健康情報の提出など。 | 応募書類の内容が、その後の面接でも土台になる。 |
| 3. 書類選考 | 応募締切後〜1〜2か月 | 技術・語学・健康などの書類審査。 | この段階で「応募者全体のふるい分け」が行われる。 |
| 4. オンライン面接 | 書類合格者のみ | オンラインでの個別面接。志望動機・経験・安全面の意識などを確認。 | 「なぜその国・その職種なのか」を具体的に話せるかが重要。 |
| 5. 合格通知 | 面接後 数週間〜1か月 | 合格者には、協力隊事務局から合格・候補者登録の連絡。 | ここから「候補者」として、派遣前準備に入る。 |
◆ 合格〜訓練〜派遣まで
| ステップ | 時期の目安 | 主な内容 | ポイント |
|---|---|---|---|
| 6. 派遣前準備 | 訓練開始の数か月前 | 予防接種、追加の健康診断、仕事の整理、家族の理解・手続きなど。 | 社会人・家族持ちの人ほど、この準備期間が重要になる。 |
| 7. 派遣前訓練(合宿) | 約70日前後 | 訓練所での合宿生活。語学、安全対策、文化・健康管理、JICAの理念などを学ぶ。 | ここで「最終合格」。訓練修了が派遣の条件になる。 |
| 8. 派遣スケジュール決定 | 訓練終了〜出発まで | 任国ごとに出発日・ルート・オリエンテーション日程が決まる。 | 同じ隊次でも国によって出発日が少しずつずれることがある。 |
◆ 派遣〜活動〜帰国まで
| ステップ | 時期の目安 | 主な内容 | ポイント |
|---|---|---|---|
| 9. 任国へ派遣 | 訓練終了から1〜2か月後目安 | 日本を出発し、任国へ到着。現地JICA事務所でオリエンテーション。 | 現地語学研修や、任地に入る前の準備期間が設けられることも多い。 |
| 10. 任地での活動 | 原則2年間 | 学校・行政機関・NGOなどで活動。現地カウンターパートとの協働。 | 「最初の半年」は生活と人間関係づくり、「中盤」に成果が見えやすい。 |
| 11. 任期終了・帰国 | 2年後 | 引き継ぎ、報告、任国での送別行事などを経て帰国。 | 帰国後も、報告会やキャリア相談などフォローアップがある。 |
③ 長期派遣:時間感覚の「一本線」
【長期派遣(標準2年)のざっくりスケジュール】
応募(春・秋)
└ 応募から合格まで …… 約3〜4か月
└ 書類選考 → オンライン面接 → 合格通知
合格〜訓練開始まで …… 数か月
└ 予防接種・仕事や家族への説明・引っ越し準備など
派遣前訓練(約70日)
└ 語学・安全対策・健康・文化理解など
訓練終了〜派遣まで …… 1〜2か月
└ 任国ごとの出発日・オリエンテーション
任国での活動(2年)
└ 前半:生活基盤と信頼づくり
└ 後半:活動の成果をまとめ、引き継ぎへ
帰国
└ 報告・ふり返り・次のキャリアへ
以下、ステップごとにもう少し詳しく見ていきます。
JICA長期ボランティアのスケジュール詳細
1.募集:春と秋、年2回のチャンス
長期派遣の募集は、原則として 春募集と秋募集の年2回 行われます。
- 募集が始まると、JICA のサイトに「職種一覧」「派遣国」「応募条件」などが掲載される
- 自分の経歴・資格・語学力が、どの職種で活かせそうかを確認する
- 応募期間は数週間〜1か月ほどに設定されることが多い
ここでは、
「自分が何をしたいか」だけでなく
「現地で求められているニーズと、自分の経験がどう重なるか」
を意識して、職種と国を選んでいくことが大切です。
2.応募〜書類選考〜オンライン面接
応募(マイページからエントリー)
- JICAのマイページを作成し、希望する職種・案件を選ぶ
- これまでの職歴・資格・語学力・志望動機などを入力
- 健康診断書や問診票など、健康に関する書類も提出
この段階で書いた志望動機や経験の整理は、その後の面接でもそのまま土台になります。
「なぜこの職種なのか」「なぜこの国・地域なのか」を、文章の時点から意識しておくと、後のステップが楽になります。
一次選考(書類審査)
応募締切後、まずは 書類選考 が行われます。
- 技術的なスキル・実務経験
- 語学力(英語・フランス語など、または派遣国の主要言語)
- 健康状態・渡航に耐えうるかどうか
といった点が総合的にチェックされ、「応募者全体のふるい分け」が行われます。
二次選考(オンライン面接)
一次選考を通過した人には、オンライン面接 が行われます。
- 志望動機・現地でやりたいこと
- これまでの仕事・経験が、どのように現地で役に立ちそうか
- チームでの仕事への適応力、ストレス耐性、安全への意識 など
画面越しではありますが、ここで「この人を任国に送り出しても大丈夫か」が判断されるイメージです。
3.合格通知〜派遣前訓練(約70日間)
合格通知と「候補者」としての準備
オンライン面接ののち、合格者には JICA から連絡が届きます。
ここでようやく、「JICA海外協力隊候補者」として登録されます。
この段階から、少しずつ生活の整理が始まります。
- 勤めている職場との相談・退職や休職の調整
- 家族への説明や、住宅・荷物の整理
- 追加の健康診断・予防接種の予定調整
実際に動き始めてみると、「思っていた以上に準備することが多い」と感じる人が多いところです。
約70日間の派遣前訓練(合宿生活)
その後、おおむね70日前後の合宿訓練 が行われます。
- 訓練所(国内)の寮で共同生活
- 派遣国の言語の集中講座
- 安全対策・治安情勢・健康管理についての講義
- 文化理解ワークショップ、現地での活動を想定した演習
- JICAボランティアの理念や役割についての共有
この訓練を修了することが、いわば「最終合格」にあたります。
体調や参加状況も含め、訓練の過程も評価対象になりますので、ここは大きな山場と言えます。
4.任国へ派遣〜2年間の活動〜帰国
任国へ出発
訓練を終えると、いよいよ 任国へ派遣 されます。
派遣日は国や隊次によって異なりますが、訓練終了から1〜2か月後に出発となるケースが多いです。
現地到着後は、
- JICA現地事務所でのオリエンテーション
- 必要に応じて現地語学研修
- 任地(地方都市・農村など)への移動
といった流れを経て、少しずつ活動がスタートします。
おおむね2年間の活動
長期派遣の活動期間は、原則として 2年間 に設定されます。
前半と後半で、役割のイメージは少し変わります。
- 前半(〜半年〜1年)
- 生活基盤づくり(住居・買い物・移動手段の確保など)
- 職場や地域の人との信頼関係づくり
- 現地の事情を理解し、「何ができるか」を探る期間
- 後半(残り1年〜1年半)
- 現地の同僚と一緒に、小さな改善や活動を積み重ねる
- 必要に応じて、小規模なプロジェクトや教材づくりを進める
- 任期終了に向けて、成果の整理と引き継ぎを行う
任期終了・帰国
任期が終わると、
- 任国での引き継ぎ・報告
- JICAを通じた帰国後の研修・報告会
- その後の進路・キャリア相談
といった流れがあります。
「現地での2年間」と「帰国後の人生」がつながっていく、この帰国後の時期もとても大切なステップだと感じます。
帰国直前の半年と帰国直後の時期は、次のステップへ進むために、とても重要です。


